2020/07/26 17:37



sape-sapo のキッチンソープは

店主自ら手作りしています。

石けんについてあまり

話ししたことがないので

なぜ石けんを作るのか、

少しお話ししてみたいと思います。


いつもより長いので

最後だけ読んでいただければ(笑)


石けんは5000年以上前のこと

古代ローマ時代、サポー

(Sapo:soapという名の由来はここから、

ちなみにsape-sapoもここから名を拝借)

神のお供え、羊を焼いている時

木灰に脂が滴り落ち、その灰で洗ったところ

手の汚れが良く落ち、それが石けんの始まりと言われています。

またメソポタミア(現在のイラク)でも同じように石けんが作られ

それがくさび文字で粘土板に記して残していると言うのも

驚きです。

そしてこれらが人類最初の界面活性剤でもあるそう。


*界面活性剤を

ざっくり言うと普通は水と油脂は混ざり合うことはないですが

界面に物理科学的作用を加えることで

油脂を分散、可溶化、乳化することを言います。


話は戻って木の灰にはアルカリ成分が入っており

そのアルカリ成分と動物の油脂が化学反応を起こし

:鹸化(けんか)、石けんが出来たのです。

そして今でも方法は様々ですが

作り方はほぼ変わりません。


石けん作りにはアルカリ成分が必要なのですが

木灰、灰汁、海藻灰など

昔の人々は自然のアルカリ成分を使い

石けんを作っていたのです。

昔も今も石けんがなくてはならなかったことが

よくわかります。


18世紀ごろにはアルカリの需要が増え、フランス人が

海水から炭酸ソーダを作りだし、その後の研究や技術の

進歩によりドイツで苛性ソーダができ

今でも石けんを作る上で

世界で主流となっています。


苛性ソーダは劇薬扱いです。

入手する時も身分証明とハンコが必要、

石けんを作る際は防護をしなくてはいけません。

劇薬扱い、というだけで

必要以上に怖がる事はありません。

正しく扱えば

自分で石けんが作れます。


苛性ソーダは海水からとった天然の塩が原料で、

塩素は取り除かれ、化学合成物質は含みません。

なので汚れや皮脂などを包んで排水として流れた

石けんは約24時間ほどで水と二酸化炭素に生分解され

(条件により時間は変わります)

、その分解されたものを水中や土壌の

微生物が食べる、よって自然に還るのです。

合成界面活性剤はそうはいきません。

液体石けんや洗剤だけでなく、

化粧品にも含まれています。

生分解されない場合、

生き物たちの体内に蓄積されるなど影響を与え

場合によっては死に至る可能性もあるほどです。

もちろんその影響は少なからず

私たちにも返ってきます。


洗顔&洗髪、洗濯、食器洗いなどなど

毎日の生活においてなくてはならない石けん。

それが合成石けんなら、

そして多くの人々が使用したなら、、、。


なので私は石けんを手作りし、使うのです。

作るきっかけ自体は

石けんが手作りできる!という

好奇心からでした。

‘作る楽しみ‘もありますが

手作り石けんは

自分にとって心地が良いのです。


誰かに教わったお料理のレシピの

ように、

石けん作りももっと身近で

手軽であって欲しい。

コロナが落ち着いたら

ワークショップも

もっともっと

していきたいと思っています。


*石けんも条件などによって必ずしも

環境に優しい!エコ!とは強く言えない事実もあります。

石けんは環境負荷が一番小さいですが

現在では環境に配慮した洗剤が多くあり

合成洗剤でも石けんと変わらないほどの

生分解性のものもあり一概に悪い、

の一言では済まされません。

自分に心地良いものを見つけてくださいね。